日本乾癬学会・日本ベーリンガーインゲルハイムが共同開発 指定難病膿疱性乾癬 (GPP)を対象とした初の学会提携教育プログラム『PIONEERS®GPP』を発表

日本/東京,

- 第38回日本乾癬学会学術大会にて第1回PIONEERS® GPPセミナー実施予定(8月26日)-

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

日本乾癬学会(事務局:名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科、理事長:森田 明理)と日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 医薬事業ユニット統括社長:ヤンシュテファン・シェルド、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は連携し、指定難病 膿疱性乾癬 (GPP)の病態、診断および治療に関する知識を深め、より最適な診療に寄与するべく、日本乾癬学会に所属する医療従事者を対象とした、初*の学会提携教育プログラム『PIONEERS® GPP』について、7月21日に連携協定を締結し8月26日よりプログラムを提供する運びとなりました。

 

図1

 

日本乾癬学会 理事長である、名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科 教授 森田 明理先生は次のように述べています。「膿疱性乾癬(GPP)は、発熱や倦怠感とともに広範囲の紅斑と無菌性膿疱の再発を繰り返す稀な好中球性皮膚疾患で、日本では指定難病の一つとして取り扱われています。このような希少疾患を実践的に学ぶことができる教育プログラムは、学会として重要だと考えます。今後は、年齢や経験に関わらず、より多くの乾癬の診療に携わる医師がこの教育プログラムを活用し、患者さんへのより高い診療を提供できることを期待しています」

また、日本乾癬学会 理事であり、コンテンツ制作に携わる、東京医科大学 皮膚科学分野 教授 大久保ゆかり先生は次のように述べています。「膿疱性乾癬(GPP)は稀な疾患であるため、多くの皮膚科医にとって実際に診療経験を積む機会は限られています。PIONEERS® GPPのコンテンツは、日本の膿疱性乾癬(GPP)診療におけるエキスパートの知識と経験を、教育セミナーおよび教育資料(動画、症例写真、E-learning)として、診療経験の少ない医師に共有することを目的に作成されました。これらの情報は教育リソースとして非常に有益であると考えています。乾癬診療に携わる医師として、国内でこのプログラムを立ち上げることができたことを大変喜ばしく思っています」

日本ベーリンガーインゲルハイムでは、アンメットメディカルニーズに応えるべく、革新的な治療法や医薬品の開発に注力しています。免疫領域は我々が重点的に取り組む領域の一つであり、そのなかでも膿疱性乾癬(GPP)の治療法の開発に力を入れています。膿疱性乾癬(GPP)の治療法の開発を進め、さらに、治療薬を提供する医療従事者の皆さまが最適な診療を行えるよう支援するため、日本乾癬学会と共同で新たな教育プログラムの開発に至りました。

日本ベーリンガーインゲルハイム 医薬事業ユニット統括社長 ヤンシュテファン・シェルドは、次のように述べています。「日本乾癬学会との提携教育プログラムの提供を通じて、国内の膿疱性乾癬(GPP)診療の向上に貢献できることを非常に喜ばしく思っています。私たちは医療者の皆様と緊密に連携し、膿疱性乾癬(GPP)患者さんのために活動することで、日本の患者さんのより良い治療環境の実現に寄与していきたいと考えています」

【調印式(セミナー)の様子】

写真左より、ヤンシュテファン・シェルド、森田先生、大久保先生

 

 

なお、本プログラムを受講できるセミナーを、学会参加者を対象に、第38回日本乾癬学会学術大会において、8月26日(土)10:50-12:20 グランドニッコー東京 台場内「C会場 グランドニッコー東京台場 B1F パレロワイヤルA」で開催します。ハイブリッド開催のため、現地会場/WEB配信にてご聴講いただけます。詳細は以下にてご確認ください。
■日本乾癬学会プログラム一覧:https://jspr38.jp/program.html

*医療用医薬品製造販売会社として。当社調べ。2023年7月25日現在

【膿疱性乾癬(GPP)教育プログラムPIONEERS® GPPについて】

図1

膿疱性乾癬(GPP)は非常に稀な疾患であり、病態解明が不十分で大規模な臨床試験の実施が困難なことから、診断と治療の理解に役立つ情報は十分ではありませんでした。これらの背景から、膿疱性乾癬(GPP)の診療の向上を図るべく、初の膿疱性乾癬(GPP)を対象とした学会提携プログラムを提供する運びとなりました。主に、日本のエキスパートチームの知識と経験を、教育資料(動画、症例写真、E-learning)として、日本乾癬学会に所属する医療従事者に共有することを目的に作成されています。
【URL】https://pioneers-gpp.jp/(2023年8月26日公開)※日本乾癬学会所属会員のみ閲覧可能

【膿疱性乾癬[GPP:Generalized Pustular Psoriasis]について】
膿疱性乾癬(GPP)は、生命を脅かすおそれのある希少かつ慢性の予測不能な全身性好中球性皮膚疾患であり、尋常性乾癬とは遺伝的、臨床的に区別されます1,2。膿疱性乾癬(GPP)は、好中球(白血球の一種)が皮膚に集積することによって引き起こされ、痛みを伴う無菌性膿疱が全身に多発します3,4。臨床経過には幅があり、急性症状の再発を繰り返す患者さんもいれば、症状が遷延して断続的に急性期が起こる患者さんもいます3,4。膿疱性乾癬(GPP)の急性症状の重症度は人によって異なりますが、治療せずに放置すると入院につながり、敗血症や多臓器不全などを引き起こし、場合によっては命にかかわります4。この全身性疾患は、患者さんのクオリティオブライフに重大な影響を及ぼし、医療にとって大きな負担となります5。疫学的データは地域によって異なりますが、推定有病率は10万人に0.18~12.4人であり、男性よりも女性の方が高い傾向にあります6。良好な安全性プロファイルを持ち、膿疱性乾癬(GPP)の急性症状の再発を予防する治療薬に対する高いアンメットニーズが存在します7,8

日本乾癬学会について
日本乾癬学会は乾癬の病因究明、治療法の開発および全国疫学調査を行い、乾癬に関する医療の向上を目指して結成された学術研究学会です。各年度の学術大会では、乾癬ならびにその類縁疾患を中心に遺伝子や発症機序をはじめとする基礎研究、QOLや治療法等に関しての臨床研究、各症例報告など様々な発表やそれに対する討論が活発に行われています。
第38回日本乾癬学会学術大会は、「躍進する乾癬診療~国際調和を目指す」をテーマに、2023年8月25日(金)・26日(土)にグランドニッコー東京 台場で開催されます。詳細情報は、https://jspr38.jp/よりご確認ください。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com/2022/
(アニュアルレポート 英語)

References

  1. Reisner DV, et al. Impact of Generalized Pustular Psoriasis from the Perspective of People Living with the Condition: Results of an Online Survey. Am J Clin Dermatol. 2022 Jan;23(Suppl 1):65-71.
  2. Effisayil ON: An open-label, long term extension study to assess the safety and efficacy of spesolimab treatment in patients with generalized pustular psoriasis (GPP). Available at:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03886246?term=Effisayil&draw=2&rank=1. Accessed June 2023.
  3. Crowley JJ, et al. A brief guide to pustular psoriasis for primary care providers, Postgraduate Medicine. 2021;133:330–344.
  4. Navarini AA, et al. European consensus statement on phenotypes of pustular psoriasis. JEADV. 2017;31:1792–1799.
  5. Hanna M, et al. Economic burden of generalized pustular psoriasis and palmoplantar pustulosis in the United States. Curr Med Res Opin. 2021. 37(5):735–742.
  6. Prinz JC, et al. Prevalence, comorbidities and mortality of generalized pustular psoriasis: A literature review. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023 Feb;37(2):256-273.
  7. Bachelez H et al. Trial of spesolimab for generalized pustular psoriasis. NEJM. 2021;385:2431–2440.
  8. Puig L et al. Generalized pustular psoriasis: a global Delphi consensus on clinical course, diagnosis, treatment goals, and disease management. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023;37:737–752.

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